はじめに

グラブルのダメージ計算の仕組みは偉大な有志たちによって既に解き明かされています。

この記事はダメージ計算の基本的な流れを追いつつ、何を意識すればダメージが伸ばせるのかを言語化していきます。

ダメージ計算のステップ

大まかに分けると以下の 3 つになります。

  • 1.基礎ダメージを求める
  • 2.減衰ラインに従って基礎ダメージを減衰する
  • 3.減衰後のダメージに与ダメ UP、与ダメ上昇効果を適用する

それぞれのステップを詳しく見ていきましょう。

1. 基礎ダメージを求める

基礎ダメージは総合攻撃力 x 各種スキル効果/敵の防御値で求めます。

※本当は計算毎の小数点処理とか細かい話がありますが、本筋から外れるので極力省きます。

1 つずつ見ていきましょう。

総合攻撃力

総合攻撃力はキャラクターの基礎攻撃力、LB、武器や石の攻撃力などの合計で決まります。編成画面で「攻撃力」としてキャラ毎に表示されているアレです。

総合攻撃力

この総合攻撃力を伸ばす有効な手段の一つがプラスと呼ばれるボーナスを振ることです。キャラや装備にプラスを振ると予測ダメージが大きく上がり、ミリ残ししていた敵を倒せるようになったという経験はないでしょうか?

プラスはキャラ武器石全てに振ることで900+990x5+495x5=8325も総合攻撃力を上げてくれます!

この数字だけ見てもピンと来ないと思うので実際の例を見てみましょう。

プラス

同じ装備で左がプラスなし、右がプラスを振り切った状態です。プラスだけで総合攻撃力が約 15%も上がっていることが分かります。

ここに各種スキル効果が掛け算されて基礎ダメージに反映されるので効果が大きいです。

あとは武器や石の素のステータス、キャラの攻撃力 LB や覚醒タイプも結構馬鹿にならないです。

各種スキル倍率

ダメージ上限 UP、与ダメ UP、与ダメ上昇を除いたほとんどのスキルやバフはこのスキル倍率を求めるのに使われます。

一例を上げると通常攻刃、EX 攻刃、M 攻刃、属性攻撃、久遠枠の攻撃 UP、いつアサ、クリティカルなどなど…

細かいところだと属性攻撃の 1 種である有利属性時のバフやストレングス枠、船炉、攻撃隊長バフや副団バフ(2024/9 土古戦場のアップデートでダメージ上限 UP に変更されました)などもあります。

重要なのはこれらを全て枠毎に掛け算したものがスキル倍率ということです。簡単な例から見てみましょう。

次の 3 つの例はスキル効果値の合計が全て同じ 300%UP です。 召喚石やブースト武器、キャラ等による加護は考えない場合、最もスキル倍率が高くなるのはどれでしょうか?

  • 通常攻刃 300%UP
  • 通常攻刃 200%UP、EX 攻刃 100%UP
  • 通常攻刃 100%UP、EX 攻刃 100%UP、M 攻刃 100%UP

答えは上から順に 4 倍、6(3x2)倍、8(2x2x2)倍となるので一番下の例が最も高くなります。つまり、スキル倍率を上げるには 1 つのスキル効果だけでなく色々なスキル効果をバランス良く伸ばすことが重要になります。

光マグナ編成では「シュヴァリエソード・マグナ」に長くお世話になると思います。この武器が優秀だと言われる理由は攻刃と守護を兼ね備えていることが大きいですが、その攻刃が M 攻刃と通常攻刃という 2 種であることも重要ポイントです。

応用としてレヴァンスウェポンの「竜伐の剛牙・再誕」覚醒 Lv. 20 のスキル構成を見てみましょう。さて、この武器の攻刃枠は何種類あるでしょうか?

  • 創樹方陣・呪印 Ⅲ、土の神威、攻刃+35%、土属性攻撃力+15%、EX 攻刃+10% ジーク短剣

答えは4 種類です!

創樹方陣・呪印 Ⅲ は M 攻刃枠、土の神威と攻刃+35%が通常攻刃枠、土属性攻撃力+15%は属性攻撃枠、そして EX 攻刃+10%は EX 攻刃枠となります。(細かい話をすると土の神威はティターンやウリエル、ガレヲンの加護がかかりますが攻刃+35%の方はかかりません)

ジーク短剣が優秀だよ、集めたほうがいいよとよく言われている理由がご理解いただけたと思います。(同じくアガ杖攻撃リビルドも 4 種類の攻刃スキルを持つので優秀です)

渾身や背水関連

渾身や背水は独立したスキル枠になっており、さらに攻刃と同じく通常と M で枠が異なります。

背水との複合スキルで有名な武器は、土「ジャックナイフ」風「宿命鉄拳」闇「タアロ・マサラ」あたりですね。どれも通常攻刃 x2+背水という優秀なスキル構成になっており、修羅のおかげで背水が効きやすくなっています。課金武器ではありますが、これ以上別枠の攻刃がつくとさすがに強すぎるのでバランスを取っている感はあります。

ストレングス枠(キャラの渾身 LB、指輪 or 耳飾りの渾身、武器 EX スキルの渾身もここに入る)は武器の渾身と別枠です。ストレングスバフや渾身 LB は一部のキャラしか所持していないため、どのキャラでも付与可能な指輪 or 耳飾りの渾身は価値が高いです。

耳飾りの属性攻撃があまり選択肢に上がらないのは、上記のように貴重なストレングス枠を伸ばす渾身や後述する与ダメ上昇が選択されやすいことと、属性攻撃枠は石のメイン効果や有利属性補正(+50%)で既に効果量を稼いでいる場合が多いためです(ベルゼバブなら+100%、バハルシなら+150%など)

クリティカル関連

武器の技巧スキルによるクリティカル、および浴衣イルザ 1 アビやニオ 3 アビなどの発動率 100%のクリティカルバフだけ見ていきます。キャラ LB クリティカルは発動率 25%なので除外。

武器のクリティカルが発生するとクリティカル枠に+50%される、つまり 1.5 倍のスキル倍率になります。キャラによるクリティカルバフは加算の関係なので、ここに浴衣イルザ 1 アビ(+20%)を足すなら 1.7 倍、ニオ 3 アビ(+30%)なら 1.8 倍となります。

一昔前に比べると武器の技巧スキルを重視する編成は減ってきました。環境のアップデートにより確定技巧の価値(+50%のクリティカル枠バフ)が相対的に低くなったためです。

現在は確定クリティカルによる別の恩恵が目当ての場合がほとんどです。例えばクラフトスキルやワム槍の「碧の誓約」(クリティカル発動時与ダメ上昇)、戦技(クリティカル発動時に与ダメ UP)、古いところだと水カリのサポアビ(クリティカル時追撃付与)などなど。戦技以外は活躍の場が減りつつあります。


正直ここのスキル倍率は書くことが無限にあってキリがないのでいったんここまで。

防御値

全ての敵には防御値と非公式に呼ばれる係数が設定されており、この数値が高いほど同じ装備、ムーブでも基礎ダメージが下がります。

例えば木人の防御値は 10、古戦場 150HELL ボスの防御値は 25 です。つまり木人相手だと 5 万の基礎ダメージが 150HELL だと 2 万まで下がることになります。

防御値は防御デバフを入れることで下げることができます。デバフ下限は 50%なので 150HELL ボスの防御値は半分の 12.5 まで下げることができ、その時の基礎ダメージは 4 万になります。

下限まで防御デバフを入れると基礎ダメージが 2 倍になる。 これは超重要です。

ここまでのポイントまとめです。

  • プラスをきちんと振ると総合攻撃力がグッと伸びる。
  • スキル倍率は枠同士の掛け算なので色々なスキルをバランス良く伸ばすのがよい。スキルの枠の違いを意識しよう。
  • 敵には防御値があり防御デバフで下げられる。下限までデバフを入れると基礎ダメージが 2 倍。
  • 基礎ダメージは総合攻撃力 x 合計スキル倍率/防御値

2. 減衰ラインに従って基礎ダメージを減衰する

ここまで「基礎ダメージ」なるものを求めるのに長々と書いてしまいました。

なんか筆が乗って尺が長くなったこの基礎ダメージは通常攻撃、アビダメ(召喚ダメージ)、奥義の全ての計算元となるため重要な存在です。

次のステップは「ダメージ減衰」です。アビダメと奥義は個別設定になっておりややこしいので、以降の説明では通常攻撃に絞って紹介します。

ダメージ減衰とは一定以上のダメージに段階的な補正がかかる仕組みです。通常攻撃は 30 万が最初の減衰ラインになっており、次の減衰ラインである 40 万ダメージまで超えた分が本来の 80%分に減衰します。

つまり基礎ダメージが 40 万のとき、実際は 30 万+(40 万-30 万)x80%=38 万ダメージになります。

ダメージ減衰

減衰は基礎ダメージが上がるとどんどん厳しくなっていき、ダメージが第 4 減衰の 60 万を超えると 1%しか反映されなくなります。 このため最終的には 44.5 万ダメージ程度で頭打ちになり、この状態を「上限を叩いている」とか「減衰を叩いている」と表現したりします。

ダメージ上限スキル

さて、グラブルには多くの「ダメージ上限 UP」スキルがありますが、これらはダメージ減衰ラインを押し上げる効果があります。

例えばダメージ上限を 50%UP したとしましょう。この場合最初の減衰ラインが 30 万 x1.5=45 万となり、45 万以下のダメージは減衰されなくなります。先程のように 40 万ダメージが 38 万ダメージに減衰されなくなるというわけです。

ダメージ上限 UP スキルによって減衰ラインを押し上げることで減衰の影響を減らし、結果的にダメージを伸ばすことができます。

では、ダメージ上限 UP スキルを積めば積むほど必ずダメージが伸ばせるのでしょうか?

答えは否で、基礎ダメージが最初の減衰ラインに達していなければ元々ダメージが減衰しないので伸びることはありません。 例えば基礎ダメージが 30 万の場合、いくら減衰ラインを上げてもダメージは 30 万のまま変わりません。

この場合はダメージ上限を上げるのではなく、最初の減衰ラインを超えるように基礎ダメージを伸ばす必要があります。 逆も然りで、今のダメージが上限を叩けているのであれば、基礎ダメージを減らす代わりに減衰ラインを押し上げるダメージ上限 UP スキルを増やすのが良いです。ここはバランスですね。

基礎ダメージとダメージ上限 UP の最適バランスは状況次第ですが、使用するバフやデバフが全て入った状態でちょうど減衰を叩ける程度が一つの目安になるでしょうか。

自分の今のダメージが十分に減衰を叩いているか確認するには、レイジなどの攻刃バフやミスト等の防御デバフを入れた前後のダメージを比較するのが有効です。減衰を叩いていればそれ以上デバフを入れてもダメージに変化が出ないはずです。

攻撃大幅アップ(いつアサ)について

召喚石のシヴァや一部キャラが持つ「攻撃大幅アップ」(いつアサ)ですが、これは減衰ラインを固定で上昇させる効果があります。具体的な上昇値は少し上の画像で示した通りですが、例えば減衰開始ラインを 70 万プラスして 100 万に引き上げます。

とはいえ、減衰ラインだけ上がっても基礎ダメージが上がらないと上昇した減衰ラインで上限を叩けません。そのためいつアサには別枠攻撃アップがついています。 この別枠攻撃アップの効果量はまちまちで当たり外れがあります。

  • 当たり(+280%): エッセル 4 アビ、ウーノ 2 アビ、水着メグ 3 アビ、プレデター 3 アビ、リミゼタ 3 アビ(+230%)
  • 普通: クリナルメア 3 アビ(+150%)、シヴァ召喚(+100%)、テンペ杖(+100%)、ヨウ 3 アビ(+100%)
  • 微妙: シンダラ 3 アビ(+50%)、リミナルメア 3 アビ(+50%)、浴衣フォリア 1 アビ(+30%)、水着ミムメモ 2 アビ(+20%)、リミジャンヌ 3 アビ(+15%)

微妙に分類したキャラのいつアサを使って「なんか思ったよりダメージ出ないな〜」と感じたことはないでしょうか? それはこの別枠攻撃アップの効果量が低く、他のバフで基礎ダメージを伸ばしたりデバフをしっかり入れないと上限を叩けないためです。


こうして求められるのが「減衰後ダメージ」になります。

3. 減衰後のダメージに与ダメージ UP、与ダメージ上昇効果を適用する

最後のステップです。減衰後ダメージに補正をかけてくれる 2 つのスキルについて紹介します。

通常攻撃の最終ダメージは以下のように求められます。

最終ダメージ=減衰後ダメージ x 与ダメージ UP 補正+与ダメージ上昇補正 →(600 万を超えていたら 660 万減衰適用)

与ダメージ UP

減衰後のダメージに乗算補正をかけてくれます。よく 「天司枠」 と呼ばれています。

オメガの第 3 スキル「トリア」(天司武器の第 1 スキルも同枠)、アーカルム石、ワールド武器 4 凸(火、風)、000 の 12 枚羽効果、終末 230 で追加される神醒スキルなどが相当します。

与ダメージ UP の合計値はオメガと天司武器以外が基本別枠になっているため(例外あったカモ)全ての効果を加算して求めます。

実質的に最終ダメージを直接乗算するので優先度が高いスキルです。簡単な例で見てみましょう。条件を以下のように設定します。

  • ダメージ上限 UP スキルはなし。減衰開始ラインは 30 万のまま。
  • 与ダメージ UP 枠としてオメガトリア(+25%)、アーカルム石(+10%)、000 の 12 枚羽効果(+10%)を適用

このとき

  • A.基礎ダメージ 60 万で与ダメージ UP なし
  • B.基礎ダメージ 30 万で与ダメージ UP あり

の場合ではどちらの最終ダメージが高いでしょうか?

A.基礎ダメージ 60 万はダメージ減衰に届いているので 44.5 万に減衰されます。与ダメージ UP はないので44.5 万が最終ダメージです。

B.基礎ダメージ 30 万は減衰ラインを超えていないので 30 万のままです。与ダメージ UP の合計は 25+10+10=45 なので 30 万 x1.45=43.5 万が最終ダメージです。

ということで B.の方がわずかに低い結果となりました。重要なのは基礎ダメージが 2 倍離れているにも関わらず減衰と与ダメージ(+45%)の有無でほぼ同等の最終ダメージになったということです。

さらにダメージを上げるにあたって A.の場合はダメージ上限や与ダメージ UP を積む、B.の場合は基礎ダメージを伸ばしつつダメージ上限も都度増やすのが有効です。

与ダメージ上昇

与ダメージ UP による補正後に固定ダメージを足す効果です。

ハルモニアやリッチ斧等の約定スキル、六竜石の召喚効果や耳飾りの与ダメージ上昇、ベルゼバブやハルマルの召喚効果、ベリアルのサブ加護効果、マナダイバーのウロボロス・ミニステルのサポート効果などなど近年実装された装備に多い効果です。与ダメージ UP と違って枠被りが色々あって複雑。

この効果の真価は追撃や乱撃などの分割されたダメージ 1 つ 1 つに固定ダメージが追加されるところにあります。複数 HIT するアビダメも同様です。

フレズヴェルク

例えば「フレズヴェルク」というルミナス武器は、メイン装備することで主人公の通常攻撃を 4HIT 分割する効果を持っています。フレズには与ダメージ上昇 10 万もついているので 10 万 x4=40 万が最終ダメージに加算されます。

さらに主人公に 4 種類の追撃が付与されたとします。追撃も分割されたダメージそれぞれに乗るので、与ダメージ上昇の合計は 10 万 x4x(4+1)=200 万ダメージになります。

これは SA の場合なので、TA+2 回行動すれば200 万 x3x2=1200 万が与ダメージ上昇効果だけで出てしまいます。 やばいですね ☆

別の観点として、与ダメージ上昇は特に高防御値の相手になればなるほど価値が高くなります。

防御値 10 の木人相手に基礎ダメージ 50 万を出せる場合の例を見てみましょう。簡単のため、ダメージ上限 UP で最初の減衰ラインは 50 万以上に上げているとします。

ここで与ダメージ上昇 5 万を足した時の価値を考えます。基礎ダメージ 50 万に対しては 10%のダメージ UP となります。

一方で、防御値 25 の 150HELL の場合は基礎ダメージが 20 万に下がります。与ダメージ上昇 5 万は、基礎ダメージ 20 万に対しては 25%のダメージ UP となり相対的に価値が上がっていることがわかります。 石の加護が弱く基礎ダメージやダメージ上限がうまく伸ばせない時などに有効な選択肢となります。

耳飾りの渾身 VS 与ダメについて

TA 確定が必要ない場合、耳飾りの選択肢は渾身か与ダメになることがほとんどです。では、実際の厳選ではどちらを選ぶべきでしょうか?

人によって色々な基準があると思いますが、自分は対象キャラが以下の観点を満たすなら与ダメをつけるようにしています。

  • A.対象キャラ、もしくは他キャラや装備との組み合わせを想定した際に耳飾りの与ダメ枠が他と被らない
  • B.分割 HIT 持ち or 多段アビダメ持ち
  • C.対象キャラが渾身 LB を持っている or 他キャラや装備との組み合わせでストレングス枠のバフが得られる

A.は前提条件です。同枠になる通常枠や会心効果の与ダメは耳飾りより効果量が大きい場合がほとんどです。 B.の場合は与ダメのメリットが一番活きるので迷わないと思います。 C.は耳飾り渾身と同枠であり、相対的に耳飾り与ダメの価値が上がるため です。ストレングス枠のバフで有名なのはゴリラの召喚効果、水着マンドラゴラのサブ加護、バレアグロヴァルの 1 アビなど。

とはいえ決めきれない場面もあるので、最初は渾身か与ダメどちらかついたらステイで良いと思います。

660 万減衰

個別の減衰ラインとは別に大ダメージ上限という減衰が存在します。この減衰ラインは通常のダメージ上限 UP による影響を受けず、古戦場や多くのマルチバトルで設定されています。

与ダメージ UP や与ダメージ上昇適用後のダメージが 600 万を超えると減衰がかかり、最終的に 660 万で頭打ちになります。 今現在では奥義だけ「奥義特殊ダメージ上限 UP」スキルにより減衰ラインを上げることができます。

この大ダメージ減衰を適用することで実際のバトルで発生するダメージへと辿り着きます。

お疲れ様でございました!

終わりに

アビダメは与ダメージ UP と上昇の適用順が逆だとか他にも色々あるのですが、いい加減記事を分けた方が良い気がしてきたので…いつかまた。

ダメージ計算の仕組みのややこしさもさることながら、これを解明した先人たちが凄すぎる。